レセプト電算処理システム導入前後の比較

レセプト電算処理システムを導入することによって請求事務に関わる作業労力・経費等はどのように変化するのでしょうか。

毎月のレセプト提出時の事務作業と診療報酬改定時の事務作業の２つの場合において比較してみました。

●毎月のレセプト提出時

月末・月初において，医療機関では，診療報酬請求に関わる多大な作業を人手を介して行っているのが現状です。レセプト電算処理を導入することでレセプト提出前，提出時，提出後にどのような変化が見られるか，比較してみました。

	レセプト提出前	レセプト提出時	レセプト提出後
導入前	レセプトの大量印刷 院内審査は目視チェック 診療続紙の貼付け レセプトの仕分け・編綴	何千枚もの紙レセプト →搬送労力大	記載漏れ，入力ミスによる返戻 大量の紙レセプトの保管（保管場所・環境の確保の必要性）
導入後	大量のレセプト印刷の必要なし 院内審査のほとんどはコンピューターチェックができる 電子媒体で提出のため，編綴作業は必要なし	光ディスク（MO）1枚 →搬送労力の軽減	事前のコンピューターチェックにより返戻減 レセプト保管場所確保の必要なし 紙よりも安価

●診療報酬改定時

独自の薬価コード体系や診療行為コード体系をもつ医療機関は，診療報酬改定時，各種マスタの変更作業により大変な労力・経費を必要とします。レセプト電算処理システムを導入することでどのような変化がみられるか，比較してみました。

導入前	医療機関独自の薬価，診療行為等のマスタを使用しているため，診療報酬改定時には独自マスタの修正作業が必要→労力と経費の多大な負荷
導入後	各医療機関共通の基本マスタを活用することにより，診療報酬の改定に速やかに対応できる →改定に伴う作業及び経費の軽減 医療情報としての共通性が確保できる

審査支払機関の審査方法は

審査支払機関では，レセプトの必要項目の記載漏れ，固定点数誤りや明らかに誤りと判断できる算定ルールに関するものは機械でチェックすることになりますが，審査については審査委員が行いますので，紙レセプトの場合と変わりません。